アマビエ

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アマビエ
アマビエは、長い髪にくちばし、うろこを持ち3本足をした半人半魚の妖怪です。その姿を写した絵には、疫病除けのご利益があるとされています。
 今や世界中で死者100万人を超え猛威をふるう新型コロナウイルス。その渦中で、注目を集めているのが疫病をおさめると言われる謎の妖怪“アマビエ”です。
 実は、アマビエの記録として残っているのは京都大学附属図書館が所蔵する、江戸時代後期に制作されたとされる刷り物(かわら版)1枚のみ。そこには以下のように書かれています。
 弘化3年(1846年)、肥後(熊本県)の海中に毎夜のように光るものが現れるので、役人が見に行くとアマビエと名乗る怪物が現れ、猿のような声で『今年から6年間は豊作が続くが、病も流行するので自分の姿を描き写す者には害はない』と告げて海中に消えました。このことから、アマビエの姿を描くことで疫病除けのご利益があると言われています。
 1858年(安政5年)から1862年(文久2年)にかけ、全国的にコロリ(コレラ)が大流行して、死者は数万人に及んだが、この流行時に三本足のアマビエの姿の摺り物が市街地を中心に、たくさん販売されたといいます。
 今年2月から3月にかけて、新型コロナウィルスに関連して終息祈願と情報拡散のため「アマビエを描く」という行為が注目されてきました。厚生労働省の感染予防啓発サイトのアイコンとしても活用されています。
また「アマビエ」という名称については、目撃記録が一つしかなく、名称の不明であることから、「アマビコ」と言う同種の妖怪の誤記という説も提唱されています。アマビエやアマビコは「予言獣」と呼ばれ江戸時代にも流行っていました。地震、飢饉が相次ぎ、コレラも流行、対処しようのない伝染病などに対する不安は、現代の新型コロナでも大差はありません。
 アマビコとは「尼彦、あま彦、天彦、天日子、天響、海彦」等と表記します。同様に海から現れ、ほぼ同じことを告げる妖怪です。こちらの方が記録は多く存在し、九州地方を中心に伝わる3本足の猿のような姿をしています。予言を行い病を除けるといいますが、予言の内容も微妙な違いがあり、アマビコが「私の姿を描き写せば無病長寿になる」と具体的に告げたのに対し、アマビエは「描き写して見せなさい」と言っただけ。描き写した「結果」は告げず、悪い妖怪か良い妖怪かはっきりしていません。

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