日本人と桜

日本人と桜
彼方此方から桜の開花予報が出てきました。
東京は3月23日が開花、満開は29日、桜の咲く前から今か今かと心待ちにし、天気がどうかとヤキモキします。
なぜ桜は、古代から人々の心をくすぶり、崇められる対象となってきたのでしょうか?それには、桜の誇る容姿の美しさはもちろん、他にいくつかの理由があると思われます。
それは、春を待ち焦がれる感情です。長い閉ざされた冬を超え、待ちに待った春。動植物は活気を取り戻し、春の訪れを告げ人々の心も明るくなっていきます。
また、桜の美しさは、その散り際にあります。
私たちは桜の花が咲く前から、今か今かと待ち望み、三分咲き、五分咲き、七分咲き… やっと満開になったと思いきや、夜雨風が強ければ、次の朝にはすっかり美しい花びらを舞い散らせて終わり、あっと言う間に夏の訪れを告げるかのような葉桜に変わります。
そんな「桜」は、はかなく散ってゆく命の儚さ死生観を考えさせられたりする対象ともなっています。

桜が使われている和歌の中でも、よく知られているのが、古今和歌集の在原業平の歌です。
『世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし』
( この世の中に全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょう)

本来春はのどかな季節であるのに、人は桜が咲くのを待ち桜があるために人々の心が穏やかでないことを述べて、人の心を騒ぎ立てる気持ちが切なく表現されています。またこの歌は、男女の中を抽象的に表現しているようにもおもわれます。
日本人は昔から人の命と桜を重ねて見ていて、そこから「もののあはれ」という感情が生まれたそうです。

日本の国花は法的には決まっていないそうですが、一般的には「桜」と「菊」といわれます。「菊」は、天皇家の紋なので、日本を代表するものとなっているとすれば、「桜」は日本人そのものでしょう。
樹齢の長いものや枝ぶりの見事なものは「三大桜」として特に大切にされており、天然記念物や史跡名勝として国からも守られています。
三春滝桜
福島県田村郡三春町エドヒガン系のベニシダレザクラ。
日本五大桜や三大巨木、日本さくら名所100選にも名を連ねる名木で、樹高約13.5m、枝張りは東西に約25m、南北に約20mという圧倒的な存在感の大木です。小さな丘の中腹にある巨木で、周囲に観賞用の散策道があるので、丘の上から見下ろしたり、横から眺めたりとさまざまな角度からその見事な花枝を楽しむことができます。
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山高神代桜
北杜市武川町山高 樹齢2000年の桜の古木。実相寺境内南側にあり、樹高10.3m、根本・幹周り11.8mと、日本最大級の大きさを誇る。2000年前日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の折にお手植えしたとも、13世紀に日蓮上人が衰弱した樹の回復を祈願したとも伝えられています。
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根尾谷淡墨桜
淡墨桜は蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには特異の淡い墨色になり、淡墨桜の名はこの散りぎわの花びらの色にちなむ。樹高16.3m、幹囲目通り9.91m、枝張りは東西26.90m、南北20.20m。樹齢は1500余年と推定され、継体天皇お手植えという伝承があります。
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